山形県庄内(鶴岡市・酒田市)での空き家再生・活用。補助金・節税のアドバイスをする空き家のお医者さん

10年後に後悔しない屋根勾配の選び方・完全ガイド

家づくりや家探しをしていると、ついつい全体のデザインや色合いに目がいきがちです。
でも、家づくりや家探しで本当に大事なのは、「屋根」です。

屋根といっても、見た目や素材の話ではありません。
私は木造住宅を扱う建築士として設計にも関わり、たくさんの修繕の現場も見てきました。
その経験や知識を元に、10年後のトラブルや、メンテナンスの費用に着目して、専門家目線で、屋根の「角度」、専門用語で言うところの「勾配」について記事をまとめたいと思います。

これからお家を建てられる人、住宅を購入しようと考えている人の参考になれば嬉しいです。

屋根の角度で、メンテナンス費用に差が出ます

屋根勾配とは、屋根の傾きのことです。
傾きが変わると、雨水や雪解け水の流れ方が変わります。

この違いは、
屋根の濡れやすさや乾きやすさに影響し、
結果として、雨漏りやすがもりといった
屋根のトラブルにつながるかどうかを左右します。

【用語の解説】

すが漏り(すがもり)は、主に北海道や東北地方の冬場に発生する、屋根に積もった雪が室内の熱で溶け、軒先で凍結して排水を堰き止めることで屋内に水が浸入する住宅トラブルです。通常の雨漏りと異なり「雪解け」と「氷」が原因で、放置すると天井や壁の腐食に繋がります。

すが漏りの主な特徴と原因発生の仕組み: 屋根の雪が室内熱で溶ける→軒先(冷たい場所)で再凍結して「つらら」や氷のダムが形成される→行き場を失った水が屋根の継ぎ目から逆流・浸入。
発生しやすい条件: 寒冷地、断熱・換気不足の屋根、築年数が経過した住宅。
被害: 天井の雨染み、壁紙の剥がれ、屋根構造材の腐食。

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同時に、勾配が変わることで、

・屋根の面積
・施工のしやすさ
・点検や補修のやり方

も変わります。

その結果、
10年後のメンテナンス費が
想定より軽くなるか、重くなるかに差が出ます。

屋根の角度がきついと、修繕費が高くなりやすい理由

屋根の角度がきつくなると、
雨水は速く流れます。

水が滞留しにくくなるため、
防水の面では有利です。

一方で、勾配がきつくなるほど
屋根の面積は増えます。

面積が増えるということは、
塗装や張り替えの際に使う材料が増え、
作業時間も長くなりやすい、ということです。

また、角度がきつい屋根では、
人が安全に歩けなくなるため、
点検や補修の際に屋根専用の足場が必要になるケースが増えます。

雨に強くなる代わりに、
一回の工事が大がかりになり、
メンテナンス費が想定より重くなりやすい。
これが、勾配がきつい屋根の特徴です。

雨漏りが起きやすいのは屋根の角度がゆるい家

屋根の角度をゆるくすると、
屋根の面積は抑えやすくなります。

屋根足場なしで作業できる場合もあり、
工事の負担は軽くなりやすい傾向があります。

ただし、水や雪の動きは変わります。

雨水や雪解け水は、
勢いよく流れず、屋根の上をゆっくり移動します。

この状態では、
屋根材の重なり部分や水の逃げ道が弱いと、
水が屋根の内部に回り込みやすくなります。

その結果として起きやすいのが、
雨漏りや、雪国でのすがもりといった屋根のトラブルです。

勾配がゆるい屋根はすべて危険、というわけではありません。
ただ、勾配がゆるくなるほど、
屋根材の選び方と施工条件が重要になります。

屋根材によって「雨漏りしやすい角度」が違うって本当?

屋根勾配を考えるとき、
私は必ず「どの屋根材を使う前提か」を先に確認します。

屋根材ごとに、
無理のない勾配がはっきり違うからです。

瓦は、重なりで水を切る構造のため、
ある程度の勾配が必要です。

スレート屋根も、
勾配が不足すると水がとどまりやすくなり、
雨漏りのトラブルにつながりやすくなります。

金属屋根は、
比較的ゆるい勾配にも対応できますが、
水を一方向に集めて流す前提で成り立っています。

勾配が極端にゆるい、
横葺きで水の逃げが弱い、
雪や凍結が絡む。

こうした条件が重なると、
水が想定外の動きをし、
雨漏りやすがもりといったトラブルにつながることがあります。

ここで大切なのは、
施工できることと、
安心して使い続けられることは別、という視点です。

雪国の屋根は、雪が落ちる角度をどう考えればいい?

雪が当たり前に積もる地域では、
屋根勾配の考え方が少し変わります。

目安として使われるのが、
屋根勾配30度前後(およそ6寸)です。

このあたりを境に、
雪が屋根の上にとどまりやすいか、
自然に落ちやすいかが変わります。

雪を落とす屋根では、
屋根への荷重は軽くなりますが、
落雪への配慮や、
勾配がきつくなることで工事が大がかりになりやすい点に注意が必要です。

雪を載せる屋根では、
落雪事故を防ぎやすい反面、
雪解け水の動きを丁寧に考えないと、
すがもりといったトラブルにつながりやすくなります。

雪国では、
勾配だけでなく、
雪をどう扱う前提なのかを先に整理することが欠かせません。

屋根の角度はどう決める?後悔しない人がしている判断の順番

屋根勾配に、
誰にでも当てはまる正解の数字はありません。

ただし、
この順番で考えたかどうかで、
後悔するかどうかは大きく変わります。

まず、地域の条件を整理する。
次に、屋根材の特性と最低限必要な勾配を確認する。
そして、10年後の点検や補修を具体的に想像する。

そのうえで、
勾配が小さすぎないか、
きつすぎないかを冷静に見直します。

この流れで考えると、
結果として並勾配(4〜5寸前後)が
扱いやすい選択になることが多いのは事実です。

それは万能だからではなく、
トラブルが起きにくく、
メンテナンス費の見通しが立てやすいからです。

まとめ|屋根の角度は、10年後の修繕費と安心感に直結する

のちのちのトラブルや、
のちのちのメンテナンス費用は
実はあるていど予測が可能です。

でも10年後、
点検や補修の話が出たときに、
トラブルとして修繕費が発生するか、
想定内の修繕費用の負担として現れるかに差が出ます。

勾配が小さすぎると、
雨漏りやすがもりといったトラブルにつながりやすい。
勾配がきつすぎると、
工事が大がかりになり、
メンテナンス費が重くなりやすい。

だからこそ、
見た目や流行だけで決めず、
10年後の管理まで含めて考えてみてください。

屋根の素材や角度は、
静かに、長く、暮らしと家計に関わります。

10年後、20年後の維持費用も含めた資金計画も含めて、
家づくり、住宅購入をご検討することをお勧めします。

結論、

一般的には、
多くの木造住宅では 屋根勾配4〜5寸(約22〜26度)
トラブルとメンテナンス費のバランスを取りやすいことが多いです。

ただし、雨量や雪の質、敷地条件、周辺環境によって最適な勾配は変わります。
最終的には、その地域をよく知る工務店や設計者に相談して決めてくださいね。

今日の記事はここまで。

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さくまさちこ

職人一家で生まれ育ち、自然と建築業界に身を置くようになってはや30年。
宅地建物取引士
賃貸不動産経営管理士
2級建築士
既存住宅状況調査技術者
住環境福祉コーディネーター2級
競売不動産取扱主任者
ヨガインストラクター
3つの国家資格と、その他の資格をいくつか持ち、 不動産に関する総合的な知識と経験を活かして、 お客様のお家のお困りごとをお伺いして、 資産を守るお手伝いをしています。

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