今日は空き家を活用するために必要なリフォームや、リノベーションについて記事をまとめたいと思います。
わたしは山形県庄内地方で、空き家の活用や、空き家のリフォーム、リノベーションのアドバイスをしている空き家のお医者さんをしています。
全国的に大きな問題となっている空き家問題ですが、2033年には全国の住宅の1/3が空き家になると予想されています。
わが町でも、例にもれず、空き家は大きな問題となっています。
ただただ取り壊される日を待っている空家たちを、一軒でも多く救いたいと日々考えていますし、その所有者さんができる限り損をしないよう、むしろ、得になるよう、活動をしています。
目次
1.リフォームとリノベーションの違い
リフォームとリノベーションは、どちらも建物や空間の改修や改善を指す言葉ですが、微妙な違いがあるのはご存知ですか?
簡潔に言えば、リフォームは既存の建物や空間を改善するための修繕や更新を指し、リノベーションは建物や空間を大きく変革し、再生するための総合的な改修を指します。
どちらの手法を選ぶかは、改修の目的や範囲、予算、ニーズによって異なります。
それぞれを解説してみました。
■リフォームとは
リフォームは、既存の建物や空間を改善するために行われる工事や修繕のことを指します。
具体的には、内装や外装の一部を改修したり、設備の修理や更新を行ったりすることが一般的です。
リフォームは、主に機能性や使用性の向上を目的として行われます。
例えば、キッチンやバスルームの改装、床や壁の張り替え、配管や電気設備の更新などが典型的なリフォームの例です。
リフォームは、比較的小規模な改修や修繕を指し、既存の構造やレイアウトを大幅に変えることはありません。
■リノベーションとは
リノベーションは、建物や空間を大規模に改修・再生することを指します。
古い建物や使われていない空間を現代的な住宅や商業施設に変えることが一般的です。
リノベーションでは、建物の構造やレイアウトを変更することがあり、内部や外部の大幅な改装が行われます。
また、エネルギー効率の改善やバリアフリー化など、現代の規格やニーズに合わせたアップグレードも行われます。
リノベーションは、建物全体の再生を目指すため、より総合的で包括的な工事が必要です。
2.あなたに必要なのはリフォーム?リノベーション?
次に、あなたに必要なのはリフォームなのか、リノベーションなのか考えていきましょう。
前章を見てお気づきかもしれませんが、リフォームとリノベーションでは、かかる費用がまったく違ってきます。
リフォームはキッチンや浴室などの部分的な工事が多く、リノベはリノベは原型がわからないレベルでの工事になることが多いので、当然、リノベのほうがお金がかかります。
リノベーションというフレーズがここ数年ブームになっていることもあり、工事業者さんに相談して見積を取った場合、当然、工事金額の多いリノベーションをお勧めされると思います。
たしかに、リノベ後は一見、新築のようにも見えるほど、見栄えがします。
でも、そのリノベ、本当に必要ですか?
お金に余裕がある方や、
こだわりが強く自分のイメージどおりにしたい人、
店舗など、既存の使用用途とは全く違う用途で使いたい場合、
などは、迷わずリノベでいいと思います。
しかし、限られた資金の中でできる限り希望をかなえたいと考えている方、
自分で使う必要がない人、
こだわりがない人、
は、ひょっとして、リノベーションの必要はないかもしれません。
また、工事後の使用用途、工事後の建物の利用年数の予定でも変わってくると思います。
なんでもかんでもリノベーション、という風潮には、
空き家のお医者さん的には疑問を感じています。
3.アプローチと結論
工事後の用途と利用期間によって、リフォームかリノベーションかを判断する際には、以下のステップを参考にしてください。
■用途を明確にする
店舗、住宅、オフィスなど、工事後の用途を特定しましょう。
■目的と範囲を決める
必要な改修の目的や範囲を決めましょう。
改善点は主に内装や設備の修繕や更新に限定されるのでしょうか、
それとも建物の構造やレイアウトの変更が必要なのでしょうか。
■予算と時間を考慮する
リフォームとリノベーションの費用や工期には大きな違いがあります。予算と時間の制約を考慮し、プロジェクトの規模や複雑さに合った選択をしましょう。
■専門家との相談
建築家やリフォームアドバイザーなどの専門家と相談することで、工事後の用途に応じた最適なアプローチを得ることができます。
4.まとめ
工事後の用途に合った適切なリフォーム、またはリノベーションの選択をすることで、最小限の資金で最大の効果を生み出すことができます。
たくさんお金をかけることで、快適な空間が手に入るとは限りません。
あなたが必要だと思っている部分にお金を使い、不要な部分にはお金を使わない。
そんな選択をしても、あなたが求める生活や、成果は得られるということを知ってほしいです。
そして、信頼できる専門家に相談することも判断材料としてとても重要です。
5.空き家のお医者さんに相談しよう。
所有者さんには一定の責任をもって空家と向き合ってほしいと、空家のおいしゃさんは日々考えています。
そして、放置空家を見るたびにもったいないと思ってしまいます。
適正な知識があれば、適正な時期に保全をすれば、維持費用は格段に抑えられます。
そして、大きな声では言えませんが火災保険や補助金を上手に使えばむしろ手持ち金が増える場合もあるんです。
さらに、空家に働いてもらってお金を稼ぐこともできるかもしれません。
あなたが所有している空き家がどんなポテンシャルを持っているか、空き家のお医者さんに相談してみませんか?