山形県鶴岡市で空き家のお医者さんをしています。
文字通り、空き家の活用や再生のお手伝いをしています。
目次
1.空き家の活用の専門家です!
わたしは、職人一家で生まれ育ち、自然と建築業界に身を置くようになり、早30年が経ちました。
サラリーマン時代は、新築もリフォームもどちらもやってきました。
現在はサラリーマンを卒業して、2級建築士、宅建士、賃貸管理士の3つの国家資格の知識と、30年の経験を生かして、現在は空き家の活用の提案や、それに伴うリフォームやリノベーションのお手伝いをしています。
これまでの日本は新築至上主義な国民性で、古家は迷わず解体されることが多かったのですが、原材料の高騰や、円安の影響で、リフォームやリノベーションが見直されつつあり、ようやく、空き家のお医者さんの業務が注目していただけるようになってきました😊
今日は、これまで提案してきた空き家の活用方法をいくつかご紹介したいと思います。
2.空き家の活用事例
◆戸建てで賃貸する
空き家の期間や、管理状況によって、リフォームの有無や規模が変わりますが、戸建の貸家として賃貸する方法が一番スタンダードです。
リフォームは、傷みが激しい水回りや、使用頻度が高いお部屋をリフォームすることで住居内が新しく生まれ変わり、居住性を高めます。
しかし、初期費用をかけ過ぎると、資金の回収に時間がかかりすぎてしまう場合もありますので、家賃と初期費用の兼ね合いが重要になります。
地域の家賃相場やニーズに合わせてリフォームすることが大事です。
家賃を高く設定するためのリフォームの提案も行っています。
家賃を高めに設定できれば、不動産としての資産価値が高まります。
一方、リフォーム費用がかかることと、空室リスクがあることはデメリットです。
◆シェアハウスとして賃貸する
空き家の一戸建てはシェアハウスとして活用する方法もあります。
特に個室がたくさんある戸建て住宅の場合は、シェアハウスにピッタリです。
シェアハウスも戸建ての賃貸同様、定期的な収入を得られることは大きなメリットです。
そして、戸建よりも収入の面では効果が高く、初期費用の回収も早めです。
しかし、入退去の手続きや清掃・管理面での手間やコストもかかりますので注意が必要です。
そして、戸建賃貸同様、リフォーム費用がかかることと、空室リスクがあることは覚えておきましょう。
◆サブリースとして賃貸する
転貸借をベースとするサブリース契約を結ぶ方法もあります。
サブリース契約を結べば、たとえ住人が見つからなくてもサブリース会社から家賃がもらえることが特徴です。ただし、その時の賃料は相場(募集する賃料)より安くなるのがデメリットとなります。
また、契約更新の際、サブリース費用が下がることもあるので注意が必要です。
◆家具を配置して民泊として活用する
民泊を経営するには、旅館業か民泊新法の営業許可を取る必要があります。室内のリフォームの他に家具や家電、非常用設備などの費用も掛かりますので、初期費用が多めにかかります。
さらに利用者のモラルに委ねることになるので、使い方によっては近隣よりクレームが入ることがあるので注意が必要です。
日々の清掃、お客様の予約管理などに手間がかかることもデメリットの一つです。
ただし、民泊は、稼働率が高ければ賃貸よりも表面利回りが良くなることがメリットとなります。
◆ランドリー経営
空き家をコインランドリーとして改修するのもひと頃流行りましたが、最近では同様の施設が増えて、昔ほどの利益を得られなくなったと言われています。
定期的な収入を得らるのがメリットですが、初期投資が必要なことと、競合が多いことがデメリットと言えます。
◆古民家カフェやレストランとして活用する
古民家カフェやレストランとして活用するケースもあります。
最近は、住宅街の中にある隠れ家カフェやレストランというコンセプトが好まれる傾向があり、人気です。
この場合、昔ながらの日本家屋の雰囲気を残したリフォームや、ある一定のコンセプトを持った店づくりが効果的です。
一方でデメリットは、カフェやレストランとしてオープンするために初期費用が掛かることや、お店が認知されるまで経営が厳しい可能性があります。
◆シェアオフィスとして活用する
シェアオフィスは、室内に机とテーブル、インターネット回線を引けば開設できます。
住居内のリフォームはトイレや洗面など一部で問題ないでしょう。
デメリットは、価格の設定です。
近隣に同様の施設がある場合などは同様の価格に抑えなければならないので注意が必要です。
特に、公共の施設がある場合は価格破壊が起きている可能性がありますので戦えません💦
◆アパート経営
空き家を更地にしてアパート経営をする方法も、空き家問題を解決する手段として考えられます。
アパート経営を始めれば定期的な収入が得られるので、空き家を資産に変えたい場合には選択肢の一つとして検討しても良いでしょう。
ただし、多額の初期投資が必要なので、人によっては融資を受けることが難しい場合もあり、誰にでも出来るわけではないことがデメリットです。
◆太陽光発電
空き家を解体し、太陽光発電を始める人もいます。
太陽光発電であれば、過疎地域であっても事業として成り立つことは大きなメリットです。
ただし、土地の日当たりに左右されるので、北向きの立地の場合には不向きです。
それから売電価格が年々下がってきていることから、成長産業ではないということも覚えていて欲しいです。
◆駐車場経営
空き家を解体した土地を駐車場として貸し出すことも、空き家問題を解決する手段の1つです。
駐車場経営であれば人的リソースをかけずに経営できるので、サラリーマンの副業としてもおすすめです。ただし、駐車需要がある立地でないと、経営として成立しないことがデメリットです。
最近では高級駐車場のニーズが増えているようで、これだと立地はさほど関係ないのでお勧めです。
3.まとめ
わたし自身も、何棟もの空き家を再生させて活用していますし、その活用方法も多岐にわたっています。
この経験を生かして、眠れる空き家の所有者さんからのご相談を受けたまわり、活用方法を提案したりリフォームのお手伝いをしてきました。
空き家の管理状況によっては再生が難しい場合や、費用が掛かりすぎる場合もありますので、その場合は土地としての活用をお勧めする場合もありますが、基本的には古家を活用することをお勧めしています。
最近は、「空き家を手放したい」とか、「持て余しています」というご相談よりも、「空き家を活用したい」、「空き家を探して欲しい」というご依頼が増えて、逆転現象になっています。
眠れる空き家の所有者のみなさんには、ぜひ、空き家を手放すなり、活用するなり、ご協力いただきたいと思います❣
そして、、、
空き家業界は、にわかに活気が出てきていますが、だからこそ、にわか業者も増えてきているのでご注意くださいね★