山形県庄内(鶴岡市・酒田市)での空き家再生・活用。補助金・節税のアドバイスをする空き家のお医者さん

賃貸中の貸家がごみ屋敷に!しかも・・・

賃貸中の貸家がごみ屋敷に!しかも・・・

退去の連絡をもらって現状確認に行ってビックリ!外部からは絶妙にわからない程度のごみ屋敷にっ!!!

1.最近ご相談頂いたある案件のお話

一年半前から賃貸している貸家の住人(Aさん)から、貸主さん(貸主Bさん)に、退去のご連絡がありました。
これはその貸主Bさんからのご依頼のお話です。

契約上は、退去日より1か月以上前に申し出ればペナルティーは無いというルールなので、これは何の問題もなかったのですが・・・

それから数日後、市役所から貸主Bさんにお電話を頂き、
「Aさんが現在生活保護の手続き中なんですが、引っ越しに伴うゴミの処分料が捻出できそうにないので、このまま住まわせてもらうことはできないか?」
という、ご相談のお電話でした。
寝耳に水の貸主Bさんは、慌ててわたしのところに連絡をくれました。

このままAさんを貸家に住まわせることのメリットとデメリットを知りたいというご相談です。

 

 

2.生活保護制度と住宅扶助とは

■生活保護制度とは

生活保護制度とは、さまざまな理由により生活に困窮している人々に対して、生活保護法により、憲法が定める健康で文化的な最低限度の生活を保障し、積極的にそれらの人々の自立した生活ができるよう援助する制度です。詳しくはこちらのHPをご確認ください。

今回、退去を申し出たAさんは、この生活保護の申請をしている最中で、当然、今後の家賃の支払いも不可能で、生活保護の認定が下りた場合は、生活保護の中の住宅扶助という制度を使って家賃を払うことになります。

■住宅扶助費とは

住宅扶助とは、困窮のために最低限度の生活を維持することのできない者に対して、家賃、間代、地代等や、補修費等住宅維 持費を給付するもの。 家賃、間代、地代等については、当該費用が上記の額を超えるときは、都道府県、指定都市、中核市ごとに、厚生労 働大臣が別に定める額(限度額)の範囲内の額とする。

Aさんの場合は月額35,000円の住宅扶助が下りるそうです。この他、引っ越し費用も地域の最低価格は扶助されるはずなんですが・・・

 

 

3.ひとつひとつ順を追って説明します。

メリットとデメリットの前に、ここまでの経緯をまとめてみました。

■Aさんの問題点

市役所の方がいうには、Aさんも例にもれず、住宅扶助を受ける必要があるそうで、引っ越し先を市役所で斡旋してくれたそうなんです。
そして、引っ越し業者さん3業者さんに相見積もりを取り、その最安値の費用の扶助がされるそうなんですが、問題は、「ゴミの処分料」。
引っ越し先は1Rのアパートの一室らしく、現在一軒家にお住まいのAさんの荷物は到底入りきらないというんです。
入りきらない荷物は処分するしかないわけですが、その処分量が引っ越し費用をも大幅に上回る、80万という金額だったそうなのです!

ちなみに、引っ越し費用は住宅扶助で支給されますが、ごみの処分量は支給されません。

 

■貸主Bさんの言い分

これまで5万円で貸していた8DKの一軒家を、今後3.5万円で貸してほしいという空前のディスカウントを受け、貸主Bさんが困惑したのも無理はありません。
1か月15,000円の家賃収入の減ということは、年間で18万円もの損失になります。70歳を超えた年金暮らしのBさんにとって、大きな損失です。

■空き家のお医者さんの見解

Bさんから相談を受けた私は、とにもかくにも現地を見に行こうと提案しました。

貸家をどんなふうに使っていたかは住んでいるAさんしかわかりません。
ひょっとして、ひどい使い方をしていて、リフォームに大金がかかる場合もありえます。
それなら家賃が下がっても、Aさんにそのまま住んでもらった方がお互い利益がある場合も考えられるからです。
そもそも、80万円の処分料ってなんだ?
という素朴な疑問もありました。

■現地視察

貸主Bさんと私は、Aさんのアポを取り、さっそく現地に向かいました。
外観は何の問題もなく、ごく一般的な住宅の体面を保っていました。
チャイムを鳴らし、Aさんが出迎えてくれて、いざ、中に入ると・・・

とにかく、荷物が多い!
物を捨てられない人なのか、明らかにもう使っていない古い家具や家電が所狭しとおいてあり、それでもおそらく最初は整っていたのであろう配置ではありました。
しかし、住みながら出てくる廃棄物、いわゆるゴミですよね。これがその周りや机の上、床にまで散乱している状況でした。お客様を通すであろう和室は比較的綺麗で、ここにしか人を通さないとすれば、このごみ屋敷に気づく人はいなかった可能性もありました。

使わなくなったものは、とにかく物置や使っていない部屋に放り込み、見ないようにして生活していたのでしょう。そしてそこに置けなくなったら、自分の生活スペースにまでゴミが溢れるようになってきた。そんな印象です。

今となってはご自分の寝室もゴミであふれ、ご自宅で仕事をされていたときの仕事場はいちおうPCが設置されていましたが、その周りはやはりゴミだらけ、なぜかその部屋は物干し部屋も兼用になっていて、おそらく洗濯物を干せる部屋がごみに埋もれて干せなくなって、比較的荷物が少なめで洗濯物が干せそうな部屋に避難してきているという印象です。

敷地内には2階建ての倉庫もあるのですが、そこもガチャガチャに荷物?ゴミ?が散乱し、足の踏み場もない状態。階段にはネズミの糞がたくさん落ちていて、2階には上がれませんでした😢

はっきり言って、ごみの処分料80万なら安いと思う😅
そんなゴミの量でした。

内覧を終え、気の毒ですが、Aさんには出て行ってもらった方がいいという結論になりました。
ゴミや汚れはあるものの、荷物を片付けて清掃すれば、さほどリフォームをしなくてもまた入居募集できそうな状況だったからです。

Aさんがこのまま住んでいたら、もっとひどくなると思ったからです。
貸主さんが見に来ると分かっていてもまったく片付ける様子もないAさんには、今後もきれいに貸家を使おうという意思を感じられなかったんです。

 

 

4.まとめ

まずは現状の確認を行い、貸主Bさんの意思は固まりました。
しかし、役所や保障会社も絡んでいるので、簡単には決定できません。
その後のお話はまだ続きます。
続きはまた明日・・・

 

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さくまさちこ

さくまさちこ

職人一家で生まれ育ち、自然と建築業界に身を置くようになってはや30年。
宅地建物取引士
賃貸不動産経営管理士
2級建築士
既存住宅状況調査技術者
住環境福祉コーディネーター2級
競売不動産取扱主任者
ヨガインストラクター
3つの国家資格と、その他の資格をいくつか持ち、 不動産に関する総合的な知識と経験を活かして、 お客様のお家のお困りごとをお伺いして、 資産を守るお手伝いをしています。

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