山形県庄内(鶴岡市・酒田市)での空き家再生・活用。補助金・節税のアドバイスをする空き家のお医者さん

不動産の賃貸契約の種類とは?

これから大家さんになりたい人が知っておくべき、不動産賃貸契約とその特徴を、詳しく解説します。

 

1. 賃貸契約の基本と重要性

まず、賃貸契約とは、大家さんと入居者さんの間で取り交わす法的な合意のことです。

本来は口頭でも契約は成立しますが、計尺書という形で賃料、契約期間、物件の利用方法、解約条件など、具体的な取り決めを文書化することで、後のトラブルを防ぐことができます。

単なる思いつきや口約束ではなく、基本的には借地借家法などの法律に基づいて作成されるため、契約内容が法律に沿っている必要があります。

契約の種類によって、契約期間の自動更新や、更新時の交渉の有無、解約の自由度などが異なるため、どの契約形態が自分の経営方針や入居者のニーズに合致するかを理解することが重要です。

 

2. 基本的な契約の種類は5つ

♦️普通借家契約(更新権付賃貸契約)

最もポピュラーな契約形態です。
原則として自動更新される契約です。更新の拒絶は一定の条件下でしか認められない、入居者側の権利が強く保護される形態となっています。
更新時には家賃の改定や契約条件の見直しを行うタイミングとして最適です。
大家さん側からの更新拒否には、例えば「老朽化のために取り壊し」などのやむを得ない理由が必要です。これにより、入居者にとって安定した入居環境が維持されやすくなっていますし、大家さん側には契約の長期間継続されやすいというメリットがあります。

  • デメリット:
    ・家賃改定が容易でない場合があり、市場の変動に柔軟に対応しにくい
    ・更新拒否がむずかしい

♦️定期借家契約

定期借家契約とは契約期間を予め定め、その期間が満了すると契約が自動終了する形態です。更新は原則として認められておらず、契約終了時に新たな契約を結び直すか、入居者は退去する必要があります。
契約期間が決まっているため、契約終了時の市場の状況に合わせた家賃改定や条件の見直しが行いやすいのが特徴です。
大家さんにとっては将来的な物件運用の自由度が高いのが特徴です。

  • デメリット:
    ・契約期間終了時に退去の可能性が高いので入居付けが比較的むずかしい。
    ・更新権がないため、安定収入が途切れる可能性がある

♦️サブリース契約

サブリース契約とは、大家さんが管理会社に一括して貸し出し、管理会社が個別の入居者と契約を結ぶ形態の契約。
空室であっても大家さんには契約会社から一定の収入が得られるのは魅力。
反面、契約更新の際に契約金額が一方的に下げられたり、契約が一方的に終了したりする場合もあり、一定のリスクもある。

♦️転貸契約

転貨契約とは入居者が物件をさらに第三者に貸し出す契約です。
大家さんは転貸に関して契約書ないで一定の制限を設けることが多く、場合によっては特別な許可が必要となります。
大家さんは転貸契約で入居されている人とは直接契約関係にないので、万が一トラブルがあった際には大家さんの権利が及ばない場合があるので注意が必要です。

♦️分譲賃貸契約

分譲賃貸契約とは、分譲マンションなどで、所有者が自らの持分を活用して賃貸する契約。いわゆる区分所有マンションを賃貸する場合の契約形態。
複数の所有者の集合体で管理組合を運営するため、さまざまなルールに縛られがち。

 

3. 賃貸契約の選び方と契約のチェックポイント

さまざまな契約形態があるが、物件の長期的な運用目的に合わせた契約形態を選ぶ必要があります。

  • 長期安定収入を重視する場合:
    普通借家契約が適している。更新権があるため、長期にわたり安定した収入が見込める。

  • 市場環境の変化に柔軟に対応したい場合:
    定期借家契約が有効。契約終了時に条件見直しができ、最新の市場相場に合わせた家賃設定が可能。

♦️契約書のチェックポイント

後々のトラブルを防止するために、細かいことまで契約書に明示しておくことが大事です。

  • 契約期間と更新条件:
    契約更新の有無やその条件、更新手続きの詳細をしっかり確認する。

  • 解約条件と違約金:
    早期解約に関する取り決めや、違約金の有無についても注意する。

  • 修繕や管理責任の所在:
    物件の維持管理や修繕費負担について、オーナーと入居者のどちらがどの範囲まで負担するかを明確にする。

 

4. まとめ

不動産の賃貸契約には、主に「普通借家契約」と「定期借家契約」があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

  • 普通借家契約は、更新権を持つため入居者にとって安心感があり、長期的な安定収入が期待できる一方、家賃改定の柔軟性には欠けることがあります。

  • 定期借家契約は、契約期間終了時に市場の状況に合わせた再契約が可能なため、経営の自由度が高いですが、契約期間満了後の退去リスクが伴います。

また、サブリース契約や転貸契約、分譲賃貸契約など、物件の種類や運用方針に応じたさまざまな契約形態が存在するため、事前に十分な情報収集をすることをお勧めします。

不動産賃貸業は長期的な資産づくり、長期的な資金回収となりますので、長期的な資金計画や長期的な戦略を持って取り組むことが大事で、それが直接的なリスクヘッジとなります。

これから大家さんになりたい方にはぜひ知って欲しい契約形態5種類の解説でした。
今日の記事はここまで。

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さくまさちこ

職人一家で生まれ育ち、自然と建築業界に身を置くようになってはや30年。
宅地建物取引士
賃貸不動産経営管理士
2級建築士
既存住宅状況調査技術者
住環境福祉コーディネーター2級
競売不動産取扱主任者
ヨガインストラクター
3つの国家資格と、その他の資格をいくつか持ち、 不動産に関する総合的な知識と経験を活かして、 お客様のお家のお困りごとをお伺いして、 資産を守るお手伝いをしています。

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