山形県庄内(鶴岡市・酒田市)での空き家再生・活用。補助金・節税のアドバイスをする空き家のお医者さん

後悔しない家づくりの地図

家づくりって、むずかしいですよね。
何から調べればいいかわからない。業者さんの言葉は専門的すぎてピンとこない。ネットで調べれば調べるほど、情報が多すぎて迷子になる。
そんな経験はありませんか?

わたし自身、建築業界に30年いても、「家を選ぶ」という経験は、やっぱり特別なものだと感じています。
それだけ、人生における家の重さは大きいと思っています。

そんな中で、たくさんのご家族の家づくりに関わってきた経験から、ひとつ気づいたことがあります。

後悔する人には、共通点がある。

それは、「建物・土地・お金」を、バラバラに考えていたということ。
この3つは、実はぜんぶつながっています。
地図のように、広げて見てほしいんです。

建物・土地・お金、3つの軸で考える。
これこそが、成功の鍵!
今日はそのことを、できるだけわかりやすく書いてみます。

建物の話。見た目より「中身」が大事

中古住宅を見に行くと、ついつい内装が気になりますよね。
「壁紙が古いな」
「キッチンがちょっと…」
「床に傷がある」
気になる気持ち、すごくわかります。

でも、ちょっと待ってほしいんです。

壁紙も、キッチンも、床も。
リフォームすれば変えられます。
本当に大切なのは、目に見えない部分なんです。

骨格の違いで、思い通りのリノベーションができないことがあることはご存知ですか?

「思い通りのリノベーションができなかった」
という声を、何度聞いたかわかりません。

どういうことかというと。
たとえばこんな場合です。

①取り除けない壁がある(耐力壁)
「リビングを広くしたいから、この壁を取ってしまいたい」。
よくあるご要望です。

でも、建物を支える「耐力壁」は取り除くことができません。
どこに耐力壁があるかは、開けてみないとわからないことも多い。
気に入った間取りにできなかった、という原因の大半がこれです。

②シロアリや腐朽で、柱や土台が傷んでいる
外からは何ともなさそうでも、壁の中や床下の柱・土台がシロアリや湿気でぼろぼろになっているケースがあります。
この場合、リノベーションより先に構造の補修が必要になる。
費用も工期も、当初の計画が大きく狂います。

③基礎が傷んでいる
建物を支える「基礎」にひび割れや沈下がある場合、リノベーション以前に補修が必要です。基礎の問題は、外観からはほぼわかりません。専門家の目で確認することが重要です。

つまり、内装がどれだけきれいでも、こういった「骨格の問題」があると、やりたいリノベーションができなかったり、想定外の費用がかかったりします。
中古住宅を選ぶときに見るべきポイントについては、こちらの記事でより詳しく書いています。

中古住宅の購入とリノベーション@ 注意すべきポイントと選び方

リフォームとリノベーション、どっちが必要?

最近よく耳にする「リノベーション」という言葉。リフォームとどう違うの?と思っている方も多いと思うので、かんたんに説明しますね。

リフォーム = 部分的な修繕・改修(キッチン交換、床の張り替えなど)
リノベーション = 建物全体を大きく作り直すこと(間取り変更、構造ごと変える)

いまはリノベーションブームで、業者さんもすすめてくることが多いです。でも、よく考えてみてください。
「間取りをちょっと変えたい」「お風呂を新しくしたい」——それだけなら、リフォームで十分なことも多いんです。費用も工期も、リフォームの方がずっと抑えられます。
「どちらが必要か」は、建物の現状と、あなたが何を望んでいるかによって決まります。この違いについて、もう少し詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。
リフォームとリノベーションの違い。本当にその工事、必要?

家の寿命。法隆寺と宮大工から学ぶこと

「新築から10年経ったら、家電がいっぺんに壊れた!」という話、聞いたことありませんか?
あれ、実は偶然じゃないんです。

家電も住宅設備も、おおよそ10年を目安に設計されています。メーカーも、10年を超えると部品の製造をやめてしまうことが多い。住宅の瑕疵保険も10年が上限です。
業界全体が「10年サイクル」で動いていると言っても、言い過ぎではないと思います。

でも、だからといって「10年経ったら建て替え・大規模修繕」が正解かというと・・・
わたしはちょっと違う考え方をしていて。

法隆寺の話をさせてください。

法隆寺は、1,600年以上経ったいまも、奈良の地に建ち続けています。
なぜ、木造の建物がそれほど長持ちしているのか。

その理由のひとつが、「専属の宮大工チーム」の存在です。

法隆寺には、代々受け継がれてきた宮大工さんたちがいて、毎日境内を見回り、小さな傷みを見つけてはその場で手を入れてきました。

大がかりな修繕を「何十年かに一度ドカンとやる」のではなく、日々の小さなメンテナンスを積み重ねてきた。それが、1,600年という長い歴史を支えてきたんです。

これ、普通の住宅でも同じだと思っています。

「壊れてから直す」ではなく「壊れる前に、小さなうちに手を打つ」。

雨どいの詰まり、外壁のひび割れ、床下の湿気。
早めに気づいて対処するほど、修繕費用は小さくて済みます。
大規模修繕が必要になるのは、たいてい小さなメンテナンスを後回しにし続けた結果です。

木造建築は、国の法定耐用年数こそ22年ですが、手をかけ続ければ何世代にもわたって使える素材です。古い家だから価値がない、ではない。手をかけた家には、ちゃんと価値が残ります。
「持続可能な家づくり」というテーマで、この考え方をもう少し深く掘り下げた記事もあります。よかったら読んでみてください。
→ 空き家のお医者さんのSDGs-持続可能な家づくりとは

土地の話。「価格」と「価値」はちがう

土地選びって、難しいですよね。広さ、形、立地。
いろんな条件があって、どこで妥協するか悩みます。

ここで一つ、質問させてください。

「隣同士で、面積も形もまったく同じ土地が2つある。片方が安い。どちらを選ぶ?」

ほとんどの方が「安い方」と答えます。
でも、これが落とし穴になることがあるんです。

「南側に何があるか」で、暮らしが変わる
家は通常、敷地の北側に建てます。
だから、南側に何があるかがとても重要になってくる。

南側が隣地の場合:隣に家が建てば、日差しが遮られる可能性がある。
南側が道路の場合:道路には家が建たないので、永遠に日差しが確保できる。

日当たりは、洗濯物を干す、家庭菜園をする、リビングを明るく保つ。

毎日の暮らしに直結します。この違いが価格には反映されていないことが多い。だから同じ面積・同じ形でも、価値は全然違うんです。

道路の向きで、間取りまで変わってくる

「道路付け」という言葉、聞いたことありますか?
敷地がどの方向の道路に面しているか、ということです。
これが、間取りに大きく影響します。

玄関はどこに向くか。
駐車場はどう配置するか。
リビングはどちらに面すか。
プライバシーはどう守るか。
全部、道路との関係で決まってくるんです。

土地を選ぶときは「広さと値段だけ」で判断しないでほしい。
どの方角に道路があるか、周辺に何が建っているか。
そこまで見て判断するのが、失敗しない土地選びです。

土地の価値と道路付けの関係、もっと具体的に知りたい方はこちらも読んでみてください。

セカンドオピニオンで安心の家づくり(土地編)

迷っているうちに、なくなることもある

土地は、一期一会です。
まったく同じ条件の土地は、世界に一つもない。

「もう少し安くならないかな」と待っていたら、いつの間にか売れていた。
そんな経験をされた方、けっこう多いです。

相場を知っておくことは大切。
でも「自分たちにとっての価値」を基準に考えると、判断がシンプルになります。
「価格」と「価値」は、別々に考えてみてください。

お金の話。「買った後」のお金を先に考えておく

家を買うとき、多くの方が考えるのは「買うためのお金」ですよね。
頭金はいくら必要か。
月々のローン返済はいくらになるか。

それはもちろん大事。
でも、もう一つ考えておいてほしいことがあります。

「住み始めてからかかるお金」

これを見落とすと、入居後にびっくりすることになります。

設備の交換費用、把握していますか?

給湯器、エアコン、キッチン、洗面台。
こういった設備は、10年を目安に交換時期がきます。
新築ならしばらく安心ですが、中古住宅の場合は要注意。

「築15年の家を購入。入居半年でボイラーが壊れて、30万円の出費に…」
こういう話、本当によく聞きます。

購入前に「この家の設備はいつごろ交換時期か」を確認しておくだけで、心の準備と資金の準備ができます。
ちょっとしたことですが、知っているのと知らないのとでは大きな差が出ます。

リフォーム費用の見込みは、甘めに立てない

中古住宅を購入してリフォームする場合、費用の見込みが狂うことがあります。
よくあるのが「開けてみたら思っていたより状態が悪かった」というケース。

壁を開けたら雨漏りの跡があった。
床をはがしたら土台が傷んでいた。
こうなると、当初の工事予算を大幅にオーバーします。

購入前に建物の状態をできるだけ把握しておくこと、そして修繕費の見込みは「少し多め」に考えておくこと。
資金計画は、余裕を持って立てるのが鉄則です。

10年後・20年後の家族を想像してみる

いまの家族構成は、10年後も同じでしょうか。

子どもが生まれるかもしれない。
親と同居することになるかもしれない。
自分たちが年をとって、バリアフリーが必要になるかもしれない。

最初の設計段階で「将来の変化」を織り込んでおくと、後から大きな工事をしなくて済みます。
「後から追加工事」は、最初に盛り込むよりコストがかかることがほとんどです。
いまだけでなく、将来の家族の姿もイメージしながら計画を立ててみてください。

3つはぜんぶ、つながっている

ここまで、建物・土地・お金を順番に見てきました。
実は、この3つはばらばらじゃなくて、ぜんぶつながっています。

土地の道路付けが→間取りを決め→間取りがリフォームの範囲を決め→リフォームの範囲が費用を決める。

建物の構造が→リノベーションの可能性を決め→可能性が資金計画の前提を決める。

土地の価値が→将来の資産価値を決め→資産価値がライフプランの選択肢を決める。

だから「土地は安いのを選んだけど、間取りが思い通りにならなかった」とか「リノベーションしようとしたら構造上できなかった」とか、ひとつの選択が別の部分に影響してくることがよくあります。

家づくりを考えるときは、どれか一つだけ考えるのではなく、3つをセットで、地図のように広げて見てほしいんです。

地図を持って、歩き出してほしい

家づくりに、100点満点の正解はないです。
住んでみて初めてわかること。
やってみて気づくこと。
そういうことは、必ずあります。

それでも、「建物・土地・お金」の3つを最初から意識しておくだけで、大きな失敗はぐっと減ります。

地図を持って旅をするのと、地図なしで旅をするのとでは、迷子になる確率が全然違いますよね。

家づくりの地図を、ぜひ手に入れてほしい。
そして、信頼できる業者、信頼できる担当者さんにめぐまれ、お家づくりが納得のいくものになることを願います。

今日の記事はここまで。
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さくまさちこ

職人一家で生まれ育ち、自然と建築業界に身を置くようになってはや30年。
宅地建物取引士
賃貸不動産経営管理士
2級建築士
既存住宅状況調査技術者
住環境福祉コーディネーター2級
競売不動産取扱主任者
ヨガインストラクター
3つの国家資格と、その他の資格をいくつか持ち、 不動産に関する総合的な知識と経験を活かして、 お客様のお家のお困りごとをお伺いして、 資産を守るお手伝いをしています。

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